ディテール・生地
ディテール
スーツのディテールには様々な意味があります。
ジャケットのシルエットやフォルムを左右するラペルやショルダー、後ろ姿の印象を大きく変化させるベント、おしゃれの見せどころのカフなど、オーダースーツなら究極の自分スタイルを実現することができます。
ラペル
折り返された衿の部分のことで、通称下衿と呼びます。
ラペルの形は、ジャケットのシルエットやフォルムを左右するキーポイントになります。
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ノッチドラペル
菱形でもっともオーソドックスな形状です。
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ピークドラペル
先端が上向きにデザインされているので、ドレッシーなスタイルにも対応します。
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フィッシュマウス
文字の如く形状が魚の口に似ていて、衿が小さく、平行にカットされているカジュアル色の強いもの。
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段返り
3Bの中央ボタンすぐ上からラペルが折り返された型で、中央ボタンのみ掛ければ、2Bのようなスタイルになるもの。
ポケット
装飾だけでなく、その機能にも注目します。
サイドポケットは、型崩れ防止のためしつけ糸を取らない場合もあります。
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パルカポケット
クラシコイタリアに見られる胸ポケットの底が船底のようなカーブのディテール。
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ウエルトポケット
ポケットの口に口布(縁飾り)を施した切ポケットの一種。
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フラップポケット
デザインと機能性を併せ持ったふた付きのポケット。
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チェンジポケット
脇ポケット上部に位置する小さなポケット。
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スラントポケット
手の出し入れを考慮して、角度がつけられたタイプ。
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パッチポケット
布を貼り付けたポケット。
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パイピングポケット
ポケットの口を別布で縁取った型。通称玉縁ポケット。
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閂止め(かんぬきどめ)
避けやすいポケットの口部分を補強するとも縫い。
ショルダー
ジャケット全体のシルエットを大きく左右する部分です。
フィッティングの際には、まず肩合わせから始めるのもショルダーがデザインの根幹だからです。
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ナチュラルショルダー
アメリカントラッドに多く見られる新を薄めに設定し、型のラインに沿って自然に作られたデザイン。
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コンケーブドショルダー
肩の先端部が少しそり上がったモードな雰囲気が漂うライン。
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パデットショルダー
パットを入れて立体的なフォルムを作り出したもの。
カフ
袖口の表情は、デザインやボタンの形状によって様々に変化します。
機能とデザインを兼ね備えたワンランク上のオシャレを楽しみましょう。
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本切羽(ほんせっぱ)
袖ボタンが開閉可能なタイプ。
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開き見せ
本切羽同様に袖にボタンが着いているが、開閉はできない飾りボタン。
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キッシングボタン
ボタンを少しづつ重ねて縫いつけたデザイン。
ベント
ジャケットの後ろ身頃に入れられた縦の切り込み部分を指します。
乗馬などのスポーツの際、運動性を確保するためにデザインされたジャケットがそのモチーフです。
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センターベント
まっすぐな切り込みが特徴のデザイン。
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フックベント
縦にまっすぐ伸びる縫い目がカギ形に曲がっているディテールが特徴。
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サイドベンツ
切り込みが左右に入れられたベント。
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ノーベント
背面に切れ込みがないタイプ。
生地
ウーレン(Woolen)
繊維長の短い羊毛を太く紡いだ糸(紡毛)で織られた毛織物の総称。
表面が起毛した質感で、ツイートやフランネル(フラノ)が代表的。
優れた保湿性と耐久性を誇るウィンタースーツの定番生地です。
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ツイード(Tweed)
紡毛糸で織られたざっくりした風合いの生地で、毛感のある素材が特徴。
秋冬の代表的な生地で、ジャケットに多く見られます。 -
フランネル(Flannel)
ツイード同様、紡毛糸を用いた平織りまたは綾織りの生地。
軽く起毛されており、こちらも秋冬の代表格です。
フラノとも呼ばれます。
ウーステッド(Worsted)
繊維長の永い羊毛を細く紡いだ糸(梳毛)で織られた毛織物の総称。
毛羽立ちが少なくサラリとした質感が特徴。
中でも特に繊維が長く細いものを仕様した生地をスーパーファインウールと呼びます。
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ギャバジン(Gabardine)
羊毛または綿で織られた45度以上の綾目の入った生地。
綾目をはっきり見せるために、毛羽が取り除かれているのが特徴です。 -
サージ(Serge)
ジャスト45度の綾目で織られた綾織りの生地。
表面の毛羽が取り除かれているため、綾目がくっきりと見えます。 -
シャークスキン(Shark Skin)
ジグザグに織られた織り柄。
その名前は鮫の皮に似た模様とグレーから由来します。
比較的涼しい春・秋物のスーツに使われます。 -
サキソニー(Saxsony)
最高級の羊毛と呼ばれるメリノ種で織り上げられた生地。
それに似た梳毛を縮めて起毛仕上げにしたウール地全般も指します。
パターン
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オルタネイトストライプ(Alternate Stripe)
太さや色の異なる線が互い違いに配列されたストライプ。
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チョークストライプ(Chalk Stripe)
チョークで引いたようなエッジが曖昧で太い線を配列したストライプ。
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ペンシルストライプ(Pencil Stripe)
ペンシル(鉛筆)で引いたくらいの太さの線を配列したストライプ。
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ピンストライプ(Pin Stripe)
ピン(針)で引いたような細い線を配列したストライプ。
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シャドーストライプ(Shadow Stripe)
色ではなく、織りによって縞模様を表現したストライプ。
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ハウンドトゥース(Hound's Tooth)
猟犬の牙を思わせる織り柄であるところから名付けられた名称。
日本でいう「千鳥格子」の一種。 -
グレンチェック(Glen Check)
4種類の異なる柄を組み合わせた複雑なチェック柄で、英国を代表する柄のひとつ。
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ウィンドーペーン(Windowpane)
ウィンドー(窓)のようなシンプルな格子のチェック柄。
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バーズアイ(Birds eye)
明暗2色の糸を使って織られた鳥の目に似たドッド状の柄。
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ヘリンボーン(Herringbone)
魚の骨のような斜線が合わさって並ぶことから「にしんの骨」という意味を持つ。
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ロンドンストライプ(London Stripe)
等間隔に並ぶ5mm 程度の太さのストライプ。
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タッターソールチェック(Tattersall Check)
ロンドンの馬市場の名前が由来。
馬にかける白地に2色の格子を組み合わせた毛布がそのモデル。